東京ダービーで土肥と対戦するのは、辛いというより楽しみだった。戦力外通告を知った時の衝撃もまだ忘れたわけではないが、どんなチームだってやはり土肥は先発でゴールを守るべき選手であるということが証明できていれば、それは私にとって喜びだ。
高木義成とサクラも好きなだけに、そっちについては複雑だが、土肥を超えるようにがんばれと激励するしかない。
エルゴラでのインタビューは、私たちが思っている土肥という人間を裏切らない内容だったと思う。
“もっと伝えたいことがあった”
東京への思いの深さを垣間見せていて、その思いを断ち切らなければならない事情って一体なんだろうと思わざるを得ない。
でも、もう前を向いている。もう進んでいる。
絶対負けたくないダービーでは、土肥に拍手する余裕はない。あれほどの声援を受け、信頼されていたサポーターからブーイング。ごめんね。でもそれで良かったよね。これで吹っ切れて、選手としての寿命が更に延びて欲しい。
また、会おう、もっと脅威になってください。塩田のためにもね。
ありがとう、ありがとう、本当に長い間、ありがとう。