たとえば今日の勝利を引き換えにしても浦和に勝ちたかった。
勝点に軽重の差はない。それでも。
帰りにリブリに寄って、それほどテンションの上がらない祝杯をあげる。
そんなの甲府に失礼だ。
店を後にする際に、勇敢にも明大前LIVREに乗り込んできた、しかし店の隅っこにへばりついている甲府のサポーターと握手をする。
甲府のサポーターだからできること。浦和だったら死んでもできないからね。
最終戦はみんなで小瀬に乗り込んでいくからね。
そして行くつもりは無かったさいスタにも必ず行くから。行くことにしたから。
双眼鏡を覗かなくてもまっすぅのいかり肩はすぐ見つかった。