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新年に寄せて

年が改まって初めてのエントリです。
今更おめでとうでもありませんが、今年もよろしくお願いいたします。

毎日の暮らしの中に落ち着いて何かを書くという時間を取ることが出来なくなってきています。
細切れな時間のやり繰りの中で何を優先していくかは重要な判断になるでしょう。
今は反射神経と集中力で一気にパソコンに向かわなくては、ブログのアップは難しい。特に一人になりたい私にとっては難しい状況が多いわけで。

いっそもうやめるということもあって良いような気もしますが、わざわざ宣言しなくても、遠ざかればいいわけです。

それでも心が動いた時にはそれを記したいということもあるので、ぽつぽつとやはり続けていくのかもしれません。PCやiPadの中には端切れのような文章がいくつも落ちているので、それを拾い上げてはアップすることも今年の課題となりましょうか。

昨シーズンは早々に天皇杯を終えてしまいましたので、十分な残り時間を与えられました。
怪我の功名というのか、いつもは我慢している歌舞伎やバレエ、映画などを観ることが出来ました。
日々精進しつづける人間の凄さはジャンルが変わってもこちらに迫ってくるものは変わりません。
どんな時もわたしを励まし、前に進む勇気を与えてくれるものです。
様々な事情でアウェイ観戦は簡単にはできそうもありませんので、今期は舞台に接することが多くなるのかもしれません。

年末に映画「ファースト・ポジション」を観ました。
ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)のファイナルに臨む若いダンサーを追ったドキュメンタリー映画です。
YAGPはローザンヌと並ぶ最高峰のコンテストで、世界各地の予選には9歳から19歳までのダンサーが毎年5千人以上も参加し、ニューヨークのファイナルは200人から300人が出場することが出来ます。

その中から映画では6人のダンサーをその家族とともにカメラに収めています。
10歳から17歳までの彼、彼女たちを通して、観客はバレエという芸術の過酷さを知るのです。
普段あまりバレエの世界に接していない人にとっては意外なくらいの厳しさかもしれません。美しく華やかで優雅な舞台を作り上げているのは、生身のダンサーたちのそれこそ血の滲むような努力と鍛錬、そして天からの贈り物のような才能に抗い難く惹きつけられた家族や教師の献身。そしてトップアスリートのようなストイックな日々。
バレエに魅せられた私には当然のことと思えるそれらのことも、こんなにしてまでと思う人がいても、不思議ではありません。
レッスン時間を増やすために学校に通う時間も惜しんで自宅学習をしているミコとアラン。
16歳のコロンビア出身のジョアンは家族と離れ、アメリカでレッスンを続けています。
シェラレオネから養女として迎えたミケーレのバレエ修行のために家族で引っ越しをする養父母。

しかしどんなに努力しても、それが必ず報われるわけでもないこともこの映画は映し出します。
舞台を降りて泣き崩れ、教師の言葉にもなかなか立ち直れない少女がいました。彼女もまたあの6人の少年少女たちと同様にありったけを注いでここまでたどり着いたに違いありません。
その他にもレッスンで変形し、傷ついたダンサーたちの足指、トゥシューズにリボンを縫い付ける、ストレッチをする、衣装の嵩張るチュチュを両腕でまとめて歩く等々、バックステージをその折々に捉えたちょっとした場面が輝いているのは、監督のベス・カーグマンがかつてバレエ学校で学び、この世界を深く理解しているからでしょう。

栄光を掴んでも、失意に沈んでもバレエが好きで堪らず、そのために全てを捧げる決意を持ったまだ若い彼ら彼女らの姿は一瞬一瞬が魅力に溢れ美しくそして力強いものです。

バレエには5つの基本姿勢(ポジション)があります。跳躍や回転などすべての動きはその5つのポジションから始まり、終わります。
第1ポジションは両方のかかとと膝の裏をぴったりとつけ、つま先と膝は外側に向けます。足はまっすぐで付け根から外に開く、アン・ドゥオールを保たなければなりません。両腕は脇に卵を挟んだくらいにして広げ、腕全体で綺麗な弧を描きます。手の位置はお腹の前です。
ファースト・ポジションというタイトルは若いダンサーたちそのものと、彼らがスタート地点に立ったのはまだまだこれから弛まぬ努力を要求される世界であるということを表現しているのではないでしょうか。
何によらず脇目もふらずに自分の力で道を進もうとする若い人たちには誰もが拍手を送るでしょう。

バレエをよく知らなくても感動を得られる映画です。ぜひご覧ください。
渋谷ル・シネマにて。
ファースト・ポジション
by inadafctokyo | 2013-01-12 21:03 | 映画


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