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「ユルネバ」劇団コラソン

Facebookにも上げた内容ですが。

渋谷道玄坂のラウンジ鴉で最終日に劇団コラソンの「ユルネバ」を観た。
50人も入ればいっぱいのバーで毎週火曜日に劇団コラソンの芝居を打っている。
「ユルネバ」はFC東京サポーター男子二人を主人公に、サポーターとしての暮らしをテンション高く描く。
青赤ファンの常識と一般の人との意識のズレが笑いを誘う内容だ。
内容が内容だけに東京ファンと思われる人がほとんど。そして毎回東京の選手やスタッフがやってきて、後ろの方から、東京愛を暑苦しく語る役者やそれに大笑いしている観客たちを暖かく見ている。(この日は高橋秀人選手とスタッフの方たちが見えていた)
そんな空間だ。サッカーもFC東京もよく知らないという人でもつられていつの間にか一緒に笑っている。

「ユルネバ」を観るのは3度目になる。
初見はせんがわ劇場の演劇コンクール。FC東京の事情に通じていない人にもサポーターの生態の可笑しさは伝わっていた。優勝は逃したものの、完成度を高めて欲しいと期待したものだ。
しかし、これまでのところ何度観ても、期待に応える程完成度は上がっていない。
出演者はその都度何人か変わり、新鮮味が感じられたり、前の人の方が魅力があったなどと思ったりもする。
しかし、出演者が変わるせいで、完成度が上がらないのではない。
作・演出の植田朝日(有名人だから敬称略)によるところが大きいと思えてきた。

彼は個性を生かすのは得意と言って良いだろう。これまでも元スポーツ選手や格闘技畑の選手、FC東京に関わりのある駆け出しの女優を起用して、その持ち味を出すことに成功している。
今回も元監督の原博実の息子で芸人の原大吾や女子プロレスの人気選手であるという成宮真希が出演して、意外にもその陽性の前に出る能力とでも言うようなものを発揮して良かった。
しかし、個の能力に頼っているばかりでいつになったら芝居として完成するのだ。
などと野暮なことを言ってはいけないのだろうか。
台詞も直感的過ぎるので、もっと練らなければならないのではないか。
「ハラヒロミ」はアイコンとして成功しつつあるが、ジョウフクヒロシ、オオクマキヨシの扱いはまだまだ一捻りもふた捻りも足りない。

結局のところ、植田朝日は多才な素人であって、それが最大の魅力なのかもしれないが、本人にしても仲間内だけで楽しめばいいとは思っていないはず。大きな舞台にかけたいという希望も口にしていた。
それならば失敗を恐れずに「芝居」を追求してほしい。周囲にはそれに応える役者もいるはずだ。

しかし知人情報では植田氏は「このまま流れで行く」というようなツイートをしていたようなので、勢いだけの個の能力任せの舞台がしばらく続くのかもしれない。

まぁ、でもこの日も司会進行にちょこちょこ登場していたが、元気な人だよ。いいことだ。
by inadafctokyo | 2012-11-01 13:15 | FC東京


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