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城福監督ありがとうございました

名古屋の港サッカー場で刈谷とマルヤス工業の試合を見ている最中のことだった。
TLに不穏な空気が流れている、と同行者が携帯の画面を見ながら言うのだ。

後半も半ばを過ぎ、刈谷の勝利が決定的になる頃には、城福さんの解任も決定的なものとなっていた。

東京のサポーターである私たちは頭を寄せ合って、信じ難い現実を何とか理解しようとしていた。
他所のサポーターからは、遅過ぎ、この成績では当然でしょうと、言われる。

そうなんでしょう、確かに。私だってこの順位、この勝ち点は信じられない。
でも、監督を替えることは考えなかった。みんなに尊敬され、愛されている城福さんを切ることによる影響を恐れる気持ちもあった。

城福さんは自分の言葉を持っていた。言葉の力を信じて、大切に思っていた。
目を見て言葉を発したいので、強い日差しの下でもサングラスをかけなかった。
選手の獲得に当たっても自ら説得することがあったと聞く。
ヒロミがナオに「今来たら使っちゃうよ」と言ったように、城福さんには城福さんらしい理と情の言葉があったに違いない。

今シーズン開幕前に発表された抱負は決意に満ちていた。
W杯後の日本のサッカー界で東京は主役にならなくてはならない。
その言葉は私たちの心を動かした。

しかし残念ながら、その抱負はついに実現されることなく監督の座を退くことになった。
この抱負は監督個人のものではなく、クラブのものでもあった筈で、リーグ全体を見回した上でどれ程の根拠があったのかは問われなければならない。

2年9ヵ月を通して新しい面を見せてくれ、可能性を示してくれた。選手もサポーターも教育してくれた。楽しかった。
今季は苦しくて、眠れず食べられない時もあったとご家族の証言もあった。
この経験を関わった皆が活かして、前を向いて行こう。

本当にありがとうございました。少し体と心を解き放ってあげてください。
ご家族も心労が大きかったことでしょう。お疲れさまでした。
また、いつの日にか。






by inadafctokyo | 2010-09-19 22:25 | FC東京


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