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横浜戦不参加の理由

今、住んでいる飛田給の前は吉祥寺に近い杉並区の端に住んでいた。
引っ越したのは娘が小学校に上がる前で、それまで実家に住み、母の手助けを受けていた環境から、生活にかかわるすべてを自分たちで切り盛りしていかなければならなくなった。

今、あの頃を振り返ると時間的にも経済的にも楽ではない中で、さまざまなことを乗り切る力があったと思う。やはり今よりはずっと若かったことを実感する。
特に困ったのは、こどもの放課後の生活だった。学童クラブに入ることができたが、クラブは6時まで。ぎりぎり間に合うようにはしていたが、仕事の都合でどうしても間に合わないこともたびたびある。まだ一人では留守番は無理だった。
私自身が生まれ育った実家のある町と違って、馴染みのないところでは気安くこどもを頼める人もいない。区のファミリーサポートを利用したり、知合いの若い人にもお願いしていたりしたが、その都度違う人に頼むのではこどもも落ち着かない。

ある日、同じマンションの1階に年配の女性が引っ越してきた。落ち着いた優しそうなおばあさんだった。しかも我が家と同じように猫を飼っていた。
わたしはすぐさま、猫を連れて遊びに行っていいですかと声をかけた。人見知りの私がよくそんな真似を、と今でも感心する。

猫を介して親しくなり、仕事で遅くなるときはこどもを預かってもらった。学童クラブから帰ると、そのまま1階のNさん宅に行き、テレビを見たり猫と遊んだりする。自分の家の猫も連れていくこともあった。食事も食べさせてくれた。
必死だったから、恥も外聞もなく人に甘えた。あの頃、人の善意がなければこどもを育てられなかった。
家族で出かける時は猫を預かってくださった。我が家にはテレビが無かったので、Nさん宅に代表戦をビール持参で見に行ったりした。日韓ワールドカップの前だった。

本当にお世話になったそのNさんからオペラ「ドン・ジョバンニ」のお誘いをいただいた。ご親族がプロのオペラ歌手であることは伺っていた。今回、調布で公演があるので声をかけてくださったのだ。
そういうわけで16日の横浜戦には行けない。終わってからLIVREで見られればと思っているので、楽しみになるような試合を期待したい。
by inadafctokyo | 2009-05-14 15:27 | FC東京


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