東京ガス元従業員(69)の証言によると、豊洲地区で操業していた東京ガス工場で、ガス製造工程で生成されるタールを地面に流す作業が日常的に行われていたという。
この元従業員は1957-76年勤務。当時、低品質のタールはおがくずに混ぜて銭湯の燃料にしていたが、地面に直接おがくずを敷いてタールを流すような作業だったという。
そうした工程は「協力会」と呼ばれる下請け会社が工場敷地の作業場で行っていた。
環境基準の4万3千倍ものベンゼンが検出された地点は、この一画に当たる。
都の「タールを入れたドラム缶が腐食して地中に浸透した」という説明が事実でないとすると、汚染は広範囲に亘っている可能性がある。
ますます築地市場の移転は難しいものになりそうだ。
また公害対策基本法が制定されたのが1967年のことで、基本法制定後もこの作業を続けていたとすると、東京ガスの責任は大きい。