映画「ピンポン」の中で印象的なシーンはたくさんあるが、こんな一場面を思い出す。
膝を負傷したペコが無理をして試合に臨む。ドラゴンとの対戦では不利な展開になり、卓球台に背を向け、膝を押さえ眉間に皺を寄せて呻く。するとそのとき会場の外の階段に座ってルービック・キューブをやっていたスマイルが言う。「足は大丈夫だよ」
突然、ペコの足の痛みや違和感は消え「うん、全然いける」とかなんとか口にして、力いっぱい足踏みをしてみせる。
私の記憶によると大体こんな感じの展開だったと思う。ペコとスマイルの絆が強く感じられるシーン。そんな魔法みたいなことがあるわけないなんて言わないで。
だからとにかく「加地、足は大丈夫だよ」って言ってあげよう。ここから。