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小倉隆史の未来の舞台

小倉隆史がついにピッチを去ることになった。
わたしの思いを文章にまとめるのは難しいと思えたし、詰まらない愚痴を書くなら餞にはならないとも考えた。それでもオグに捧げられる花束のささやかな一つくらいにはなって欲しいと願って、一文を書いてみる。

サッカーマガジンの2001年7月12日号のインタビューで「過去を捨てたくないか?」と尋ねられたオグは、「捨てたいというか、ケガはもう大丈夫? というのをなくしたい。」と答えている。
96年2月の五輪代表合宿中に右ヒザ後十字じん帯断裂の大怪我を負い、その後も相次ぐケガとの戦いの中で名古屋-市原-ヴェルディ-札幌-甲府とチームを移ることになる。この当時は前園、三浦アツとともにヴェルディに在籍していた。ファンやマスコミ、選手たちから何度と無く「怪我は?足は?」と聞かれ続けただろう。
「結果を出し続けて、忘れさせるしかない。」
ようやく怪我が癒え、試合に出て結果もついてきている。それでも人は頭の中からあの怪我を追い払うことはできない。小倉隆史に抱いた期待と夢の大きさを忘れることができない。
「小倉隆史という名前を知らずに今のプレーを見てもらいたいと思わない?」という質問には、怪我をしたこともそれを超えてきたのも、色々やってきたのも自分だから、全て自分の中で消化してきたことだから、そういうことはないと否定している。
失ったものの大きさを十分に理解しながら、「今と明日を見て生きているんだ」と訴えている。それ以上にできることはない、今できることを精一杯。それは誰にでもできること。あなたにも私にもできること。
純粋にいい選手になろうとしてきたオグ。選手としては終わったわけだけれど、オグはこれからも純粋にサッカーを求め続けていくのだろう。
 選手としてはついに辿り着けなかった最高の舞台に出会えるように願っている。
by inadafctokyo | 2006-02-17 11:51 | サッカー


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