それでも世界一うまい米を作る

1月15日「それでも世界一うまい米を作る」と題した大地を守る会の講演会が行われた。
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左から大地を守る会の戎谷徹也さん、ノンフィクション作家の奥野修司さん、須賀川の伊藤俊彦さん。
未来の農業の姿を描きたいと思っていた奥野さんに伊藤さんを紹介したのが戎谷さん。もう8年も前のことになる。
須賀川で農作業の手伝いもしながら、伊藤さんや伊藤さんの仲間たち-稲田稲作研究会の生産者たちに取材し、「それでも世界一うまい米を作る」を書き上げた。この本については、また改めて紹介したい。

この日は東北新幹線が大幅な遅れを出してしまい、伊藤さんの到着がいつになるか読めない事態に、予定を変更して長野の生産者松永さんから有機農業に転換した頃のお話を、飯尾醸造の秋山さんからは飯尾醸造で行われている棚田での米作りについて、そして奥野さんからは伊藤さんとの出会い、そしてそれがきっかけとなった中国での取材から見えた、驚くべき中国農業、食の現状などのお話を伺えた。

奥野さんのお話の中で印象に残ったのは、ヨーロッパの消費者はただ安全、安心、健康などの付加価値のために国産の農産物を選んでいるわけではないという点だった。

ドイツでもイギリスでも値段ではなく、美しい風景を守るために買い支えるという意識がある。
このりんごを買わなければ、このりんごジュースを飲まなければ、あのりんご畑の美しい風景がなくなってしまう。安全だから、おいしいから、健康にいいと思って、という私たちに慣れ親しんだ考えよりも、成熟した考え方のように思われる。

そうだ私は田んぼがある風景が好きなのだ。
棚田を例に取れば、棚田を守るためには毎年米を作らなければならない、棚田での米作りは機械化が難しいので手間がかかり人手がかかる、どうしても高い米になる、それを買う人がいないと棚田は守れない。

ただ稲が育つだけでなく、生き物が豊かに育つ田んぼが好きなのだ。
足を入れられることのできる田んぼが必要なのだ。
四季折々の田んぼをいつまでも身近で見たいと望んでいる。
美しい風景は守らなければなくなる。

伊藤さんが登場し、いつのながらの語り口で新幹線騒動の顛末、そして農業の現状が語られた。

日本の農業は年金受給者によって支えられている。平均年齢は65.8歳!
5年間で70万人が農業を止めている。40万haの耕作放棄地が生まれている。
農水省の言う自給率向上なんて現場を少しも理解していない机上の空論だ。
本来の仕事をできない農協にも今日の危機を招いた責任はある。

伊藤さんが農協を辞め、農産物の販売会社を立ち上げたことが良いきっかけとなって、大地を守る会で備蓄米制度が始まった。
1口25キロで消費者に前払いしてもらい、米を籾貯蔵する。冷害による米不足の記憶が薄れないころだった。
この備蓄米が今、「大地恵穂」と名を変えて発展している。
おいしいお米を作ってもらうためだけでなく、稲田の田園風景を守るために買い支えていく。
中国の現状を知れば、安ければいいとも有機だからいいとも言えないことは明らかだ。

講演会のあとは西麻布と広尾の「山藤」で<わしわしご飯を食べる会>
とびきりおいしいおかずを作ってもらって、稲田のお米を腹いっぱい食べようという企画だ。
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左が椀物替りの小松菜とうす揚げ煮浸し  右が先付けの千枚漬け、鯖の押し寿司、いかの塩辛
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おかず色々盛り
ぜんまい白和え、ほうれん草の胡麻和え、まぐろ山かけ、卵焼き、じゃが芋土佐煮、牛蒡、蓮根、人参の金平、焼き魚、仙台黒豚西京焼き
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土鍋で炊いたごはん。
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ぶり大根
このほかに味噌汁、漬物、ちりめんじゃこ、梅干、焼き海苔、生卵とついて、ご飯がおいしかった~。

このあと米プロメンバーによる新年会で
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お造り
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焼き野菜。
などなど、一体何時間いたのやら。大変楽しく有意義な会でありました。
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by inadafctokyo | 2011-01-16 21:50 | 大地を守る会


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