気が抜けていたではなく”木”が。
久しぶりに家に帰ってきたら、木が1本抜けていた。
家から飛田給まで出るのに、正規のルートを辿るとちょっとかかるので、地図にない道を行く。
道と言っていいかどうかも曖昧だが、家の前の道路を渡って高速の下の公園を抜けて、アパートの駐車場横の空き地を通って裏道に抜ける。これがこのあたりの人が愛用する抜け道だ。
アパートの空き地は道ではない。が、しかし毎朝、毎晩かなりな人が通る。踏みしめられた跡が残っている。
そして、その空き地と住宅街の細い道を隔てるかのように段差があり、木が生えていた。
その木がなくなっていた。
地主さんが毎日通る人にとって、この木が邪魔であると判断したのだろうか。
何の木なのかも今となってはわからない。何か申し訳ないような気がする夜だった。